ECX制度が始まったのは2008年で、それ以降ECXで取引されるコーヒーはトレーサビリティが難しくなり、生産エリアを特定することが難しくなりました。輸出業者もサンプルを事前に確認できなくなり、スペシャルティコーヒーの市場に大きな変化が生まれました。しかし、2018年にECX制度が電子オークションシステムを導入し、ロット毎の生産エリアや数量、水分値、ECX評価などの情報が得られるようになりました。これにより、ポテンシャルの高いエリアにフォーカスした原料の調達が可能になりました。
当社ではECX評価で88点以上のQ1規格の原料を指定し、その年で最も品質が良いエリアをMOPLACO社に指定しています。輸出業者はECXオークション以外にも、CWS(精製所)からの直接買い付けが可能になり、2022年のコープではこのスキームを利用して原料の選定を行いました。
MOPLACO TRADINGは現地クウォリティサプライヤーとして知られ、ブルーナイルの原料調達をパートナーシップで行っています。1972年に創業し、アディスアベバを拠点にイルガチェフェ、ベンサにCWS(精製所)、Sheka農園を所有しています。ブルーナイルの原料はCWSから直接買い付けた高品質なロットを厳選し、ドライミルでハンドピックを徹底的に行い、欠点豆を限りなくゼロに近づけています。
生豆は欠点豆がほぼゼロに近い状態で仕上がり、MOPLACO社の努力の賜物です。BLUE NILE 2022では、Sidamo ZoneのBonzuriaエリアとAleta wondoエリアからロットが選定され、それぞれ異なるカッププロファイルを持っています。Bonzuriaは果実感が強く、シトラスやベリー、ティーの複雑でバランスの良い味わい。一方でAletawondoは酸味があり、ジューシーで、スパイスやチョコレートのニュアンスがあります。シダモエリアでも異なる個性が感じられ、直接取引が可能になったことで、理想のコーヒーに近づくようになりました。